私の友達(男性)にブサイクなお嫁さんと結婚した男性がいます。そのお嫁さんは私と高校1年生の時友達だった女の子。学生時代からハッキリ言ってブサイクでした。友達のことをそんな風に言うなんてサイテー!と思う人もいるかもしれませんが、だって事実だもん。
小太りで化粧もギャルメイクをしているけどどこかおかしい。重い一重で顔が大きい女の子。性格もそんなに良くないです。とてもキツい性格の子で、でも何故か気づいたら私の周りを行ったり来たりうろちょろしてて、何がきっかけかは忘れましたが、少しの期間、週に3、4日ほど遊ぶぐらい仲良くしていました。その女の子をS子とします。
私の友達の男性はその当時21歳のめちゃくちゃイケメンで、サングラスかけて高校まで車で乗り付けてくるような人。それを校舎から女子高校生がキャーキャー言って身を乗り出して手をふっちゃうぐらい、ちょっとチャラそうででもイケメンな年上のお兄さんでした。
その彼をA君と呼びます。
A君と私の出会いはナンパだったのですが、お互い恋愛感情を持てなくて、でもめちゃくちゃ気の合う友達になってました。そんなA君にある日「誰か女子高生を紹介してよ」と言われ、ちょうど彼氏を欲しがっていたS子を紹介したのがことの始まりでした。
ハッキリ言ってA君とS子が付き合うことになるなんてみじんも思っていませんでした。ただ、私とA君が一緒に写ったプリクラをS子が見て、どうしても紹介してほしいと言われた時期と被っていたこともあってお互いを引き合わせたんです。
A君はS子を紹介した私の事を怒ってきました。
これは新たな嫌がらせか。お前もうちょっと見た目いい子がいただろ。ふざけんな。
もう小声でめちゃくちゃ怒られました。
私はというとちょっと面白そうだと思って(ヒドイやつですよね)、まぁまぁとA君をなだめながら2人を置いてさっさとよそに遊びにいっちゃいました。
それから1ヶ月が過ぎようとしたころ、A君から連絡が入りました。
「S子と付き合うことになったから」
え!!!!!!!!
衝撃過ぎて絶対嘘だと思い直したところ、すぐにS子が電話口に変わって
「A君を紹介してくれてありがとう!」
と私に言ってきました。
私の心の中はめちゃくちゃ動揺していましたが、とりあえず2人に「おめでとう…」と言って電話を切りました。
S子がA君と付き合ったと知った時から、S子に悪いと思って私からA君へ連絡するのを控えたので何故S子と付き合ったのか聞くことが出来ないまま時が過ぎていたのですが、そんな中、高校までA君がS子を車で迎えに来るというイベントが発生したんです。
校舎の窓からS子の彼氏を一目見ようと女子たちがこれでもかというぐらい窓から身を乗り出してA君を見ていました。
とりあえずS子に「久しぶりにA君と少しだけ話してもいい?」と許可を得て、私はS子よりも一足早くA君の元へ走っていきました。
A君は相変わらずサングラスをかけていて、私を見つけて右手を挙げて
「よぉ!久しぶり!!」とさわやかに言い放ちました。
「久しぶり…。てか、本当にS子と付き合ってんだね。」
「この前報告したじゃん(笑)。信じてなかったのかよ(笑)。」
なんて軽口をたたいていたのですが、S子が来る前にどうしても聞きたかったことをA君に聞いてみました。
「なんでS子と付き合ったん?初めて合わせた時ふざけんな!って怒ってたじゃん。」
「あぁ、そういえば怒ったよね。ハハハ! あっ!S子!」
結局A君から何で付き合ったのか教えてもらえないままS子が駆け寄ってきたのが見えたのですぐこの話題を終えました。そしてS子にありがとうと伝えて私はそそくさと校舎へ戻っていきました。
校舎へ戻ると私は女子数人に囲まれていました(笑)。
何でS子なんかにあんなカッコいい子紹介するの!てか何であの2人付き合ってるの!!
信じられない!という言葉をどれほど聞いたか。
でも周りの女子たちが発狂してしまうぐらいA君とS子が付き合うというのはインパクトがあったのです。
A君とS子が付き合いだしてから私もA君に連絡することがなくなって、S子とも遊ばなくなっていったので自然と2人から距離が離れていきました。
そしてS子とA君が付き合いだしてから約1年半後、突然A君から連絡が入りました。
「久しぶりに遊ぼうよ!」
こうして私とA君は約1年ぶりに会うこととなったのですが、その時S子とA君は既に別れていた後でした。
「何で付き合ったのか。そして何で別れたのかを説明してください。」
会ってすぐ伝えたのを覚えています。場所は某ファーストフードです。
そしてA君がフライドポテトを一本一本つまみながら私に教えてくれました。
エッチの相性がとても良かったことと、阿保みたいに謙虚だった
A君がS子と付き合った理由がこれでした。そして別れた理由は謙虚過ぎたことでした。
A君とS子を初めて会わせたその日、A君はせっかくだからとりあえずヤッておこうと思ったらしいです。(サイテー)
そしてその日にホテルへ行ったそうですが、その時S子の体の柔らかさにとても衝撃を受けたそう(笑)。確かに彼女はぽっちゃりしてますが、想像以上の触り心地だったと興奮した口調でA君は話してくれました。
それから週3日ぐらいのペースで会ってはホテルでヤッテいたそうですが、毎回毎回気持ちよすぎて、最初はS子の体に惚れていたんだ…とコカ・コーラを飲みながら少し遠い目をしてA君はそっとつぶやきました。
ならセフレで十分じゃんと言った私に、A君は言いました。
「毎回毎回ホテル代は私も出すって財布出すんだよ。高校生の女の子がだよ?お前はマクドすら自分で払おうとしないじゃない。本当に謙虚なんだよ。で、気が付いたらS子が可愛くみえちゃって。それで俺から告白したの。」
わたしゃ飲んでいたファンタグレープを吹き出しそうになりましたよ。
マジか。まじっすか。
もうこんな言葉しか出てこない。本当にショックでした。何がショックって、友達の前ではあれだけ気の強い発言ばかりするS子が好きな男の前では謙虚で、しかもホテル代を払うって財布まで出してたことにです。私もS子も女子高生。私は社会人なんだからA君が払うのが当然だと信じていました。それなのにS子ときたら、財布を出した!?意味がわからん。
A君はホテル代をS子に一切払わせなかったようですが、そんなの当然だろ!と言った私に向かって
「ほらね。可愛くない。」
と言ってきました。
ダブルショック。なぜ好きでもないA君に私が振られたような感じになってるのか。悔しい。けど言い返す言葉が見つからない私は気持ちを切り替えて別れた理由を聞いてみることにしました。
そしたら
「S子本当に謙虚でさぁ。クリスマスにブランド物の財布を買ってあげたんだけど、いらないいらないばかり言われちゃって。貰ってよ!って無理やり渡したんだけど、喜んでるのか嫌がってるのか分からない無表情な顔でプレゼント受け取るんだよ。なんかちょっとショックでさぁ。」
S子に何かしてあげても笑顔で大喜びとかないそうで、それが嫌でA君から別れを切り出したそうです。約1年半付き合ったそうで、本当に別れてすぐ私に連絡を寄こしたんだとそこで気づきました。
それから6年後。2人は結婚してました。
これ実話ですよ。実話。もうびっくりなんてもんじゃありません。本当に意味が分かりませんでした。
しかもこの報告はS子からではなくA君から、しかもたまたま路上で出会ってその時に報告されました。
その時私25歳、A君は30歳を迎えようとしていた時でした。(A君よく私に気づいたなと思う)
お互い向かう方向が違う事もあり、しかもあまり時間がなかったので少しの立ち話でその後別れてしまいましたが、早口で彼はこう言いました。
「エッチが忘れられないってのもあったんだけど、あの何しても喜ばない無表情なとこにはまっちゃったみたいでさ(笑)。」
えぇ~!!無表情な彼女が忘れられないってどーゆーことよ!!て私、おばさま達の井戸端会議なみに大きな声を出して驚いてたと思います。
「S子と別れて他の女と付き合ったりもしたんだよ。でもつまんなくてさ(笑)。別れて1年経つか経たないかぐらいに俺から連絡したんだよ。それでやり直してさ。今あいつ妊娠7ヶ月目だよ。」
もうビックリしすぎて私固まってたと思います。そんなんで言いの!?とか、S子に先越された!とかもう色々な感情が私の心に渦巻いてて変な汗かいてました。でもA君が言ったんです。
「S子との子ども、出来れば俺に似てて欲しいんだよねぇ。だってS子ブサイクだろ。」
自分の妻がブサイクだと分かってるんですね。ちょっと安心しました。でも可愛いんですよね。うんうん。ちょっと意味分かんないけどA君が嬉しそうに話してくるので私も自然と笑顔になってたと思います。
「妻がブサイクでもA君はオッケーなんだね。ちょっと安心したよ。」と結構失礼なことを言った私にA君は
「妻はブスですが何か?って感じだよ(笑)。まぁ生まれてくる子が男の子なのがちょっと救いだけど(笑)。」
と言ってそのまま笑顔で大きく手を振って去っていきました。
私はA君のことハンサムだとは思っていましたが、本当にタイプではありませんでした。見た目チャラかったし何だかひょろ長いし髪の毛を遊ばせてるのも女子を意識してあえてそうやっている感じがして苦手にすら思っていましたが、
初めて。A君と出会って初めて彼を心底カッコいい!!と思いました。
そして同時にS子を羨ましいとも思いました。その頃の私は仕事一筋で彼氏とは別れたばかりだったので。
A君もS子もその後どうなったのか全く知りません。共通の友達もほとんどいなかったので風の噂すら聞かないですが、何となく、めっちゃ笑顔のA君と無表情のS子、そしてA君に似た可愛い男の子の3人で仲良くやっているんだろうなという気がします。もしかしたら4人、5人に増えているかもしれないですね。
そんな私のカッコいい友達の、ブサイクな女性と結婚した男性のお話でした。
何が言いたいのかというと…
世間は私たちの理解を遥かに超える信じられない出来事が毎日起こっています。起こりまくっています。そして人のタイプも10000人10000色。その可能性は誰にも図ることはできません。
ブスだから結婚できない!と信じているそこのあなた。私はブサイクだからって落ち込んでいる暇はないのです。今まさに、あなたも理解を遥かに超える信じられない出来事に巻き込まれる時なのです。
あなたの近くにもしかしたらA君のような人がいるかもしれないですよ。自分をブスだと思っている女性のみなさん。あなたのA君を是非見つけて幸せをゲットしてくださいね。